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ノトスラボvol.14『命を弄ぶふたり』

2022年7月16日(土)・17日(日)ノトスラボvol.14『命を弄ぶふたり』無事終演いたしました。
ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。

学生と教員が新しい芸術の可能性に挑戦するノトスラボ。第14回目となる今回は、日本を代表する劇作家・岸田國士の戯曲に、演劇コース学生と卒業生で挑みました。
1925年発表の『命を弄ぶ男ふたり』をベースに、卒業生の大瀬戸正宗が翻案・演出を手がけ、まったく色合いの異なる4つの作品群として創作・上演しました。

岸田國士による原作は、自殺するためにやってきた男ふたりが線路沿いの土手の下で偶然出会い、それぞれの死の正当性を主張しながら、互いの身の上話に共感したりしなかったり、死のうとしたり死ねなかったりと、自分と他人の「命」の選択を迫られる中で変わっていく人間模様が描かれています。
本作はその原作をA~D4つのそれぞれ違った物語に分岐させる形で創作しました。

Aチーム:原文ver.(出演=椙田航平、尾﨑海斗)では、原文に一言一句手を加えず、岸田國士のテキストに、俳優ふたりで真正面から挑みました。約100年前のテキストですが、リサーチや自主稽古などで、想像力を膨らませ、戯曲を読み解きながら時間をかけて役・言葉と向き合いました。

Bチーム:出会ver.(出演=田中まみ、土田倭也)は、原作では男ふたりで演じられるところを、もし男と女が出会ったらという設定に置き換えて、男女の作品として創作しました。原文と同じテキストでも男女にするだけで全く変わるニュアンスや原文にはない新たな解釈を大切にしながら演じました。

Cチーム:恋人ver.(出演=黒木麻絢、武内愛実)は、原作に登場する男ふたりの恋人たちの物語を、「葉桜」や「チロルの秋」「紙風船」など、他の岸田國士作品からテキストを引用しながら新たに書き下ろしました。恋の要素をピックアップして、女らしさや当時のジェンダー観について俳優と考えながら創作しました。

上演順が最後のDチーム:自決ver.(出演=小﨑彰一、岡田祐介)は、繰り返しやセリフの入れ替えなど、原文に大幅なテキストレジを施し、音楽や身体表現を用いて「命」に弄ばれるふたりを描きました。スローモーションや台詞を何回も繰り返すシーンなど、心の外側と内側を演じ分けることを意識しました。

チームごとに俳優が違うということだけでなく、4チーム通して観た時に、命を弄び命に弄ばれる人間の姿がより色濃く見える、連続性のある作品になりました。

《公演写真》

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