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四国学院大学アーティスト・イン・レジデンス・プログラム(SARP)vol.25『その人を知らず』

2024年10月23日(水)~27日(日)にノトススタジオで上演した、SARPvol.25『その人を知らず』は無事全公演が終演いたしました。
ご来場、誠にありがとうございました。

本作は戦中と戦後を舞台に一人のキリスト教徒の生き方を描いた作品です。キリスト教の精神を貫くために、戦時中に出征を拒み家族を含めてひどい目にあった男が、戦後には「戦争反対を貫いた英雄」として崇められます。
本人の信念は変わっていないのに、周囲の変化によって評価が180度変わってしまう、思わず目を背けたくなるような人の弱き精神が描かれています。

今回は舞台と客席の“境があいまい”ということが特徴の一つです。役者が観客の間を走り抜けたり、観客のすぐ隣で話が展開されたり、普段の舞台と客席の構造とは少し違ったかたちでつくられました。

観客は物語を「観劇」するのではなく、その場で起こることを「目撃」するようなスタイルで2時間50分という時間を忘れさせるような、没入感が味わえる仕掛けが施されています。

 

演劇のライブ性にこだわる多田氏の演出と、役者の身体、観客の身体、音楽、美術、照明が一つの舞台で交差し、躍動感あふれる作品となりました。

【公演写真】

©冨岡 誠

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